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2008年11月07日(金) 00時19分

不二家を子会社化 山崎製パン、再建てこ入れ中国新聞

 製パン最大手の山崎製パンが業績が低迷している不二家の第三者割当増資を引き受け、出資比率を現行の35%から51%以上に引き上げ、子会社化する方針を固めたことが六日、分かった。

 消費期限切れ牛乳の使用問題が依然、販売面に悪影響を与えている上、原材料高も加わり不二家を取り巻く環境が一段と悪化。山崎は経営権を握り、再建に向け抜本的なてこ入れを図る。

 追加出資額は五十億—百億円で年内にも実施、不二家の財務基盤を強化する。過半数を占める役員の派遣を検討し、業務効率化や事業見直しなどリストラを急ぐ構えだ。

 不二家は、洋菓子業界の販売競争激化などを受け二〇〇六年三月期に赤字に転落。〇七年一月には、消費期限切れ牛乳の使用問題が発覚。商品の販売休止に追い込まれ、経営は危機的な状況に陥った。

 このため、〇七年三月に山崎と資本・業務提携を結び、約百六十億円の出資を受けた。山崎の山田憲典やまだ・けんすけ副社長が会長を兼務し、相手先ブランドによる生産(OEM)拡大、製品の相互販売、新業態店の開発などに取り組んだ。

 しかし、〇七年三月期に続き、〇八年三月期の連結純損益は十億円の赤字を計上。〇九年三月期も三十二億円の赤字を見込む。いずれも昨年八月に取りまとめた中期経営計画で示した数値目標を大きく下回り、一〇年三月期の黒字回復も難しい情勢となっている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811070092.html