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2008年11月07日(金) 08時01分

【Re:社会部】ぜいたくしたいから…産経新聞

 詐欺事件の取材で驚くのは、犯人たちの“異常”ともいえる金遣いの荒さです。

 振り込め詐欺グループの総元締めで「キング」と呼ばれた男は、1300万円の腕時計「フランク・ミューラー」をはめて悦に入り、部屋を「美少女戦士セーラームーン」などのフィギュア数百体(1000万円相当)で埋めていました。

 大手総合商社、丸紅の信用力を悪用し詐欺を働いていた医療コンサルティング会社「アスクレピオス」の元社長は、ポケットマネーで半年に2回の社員旅行を実施しました。海外旅行の飛行機はファーストクラス。国内旅行の行き先のひとつだった京都では社員全員分の着物をあつらえ、どんちゃん騒ぎを繰り広げました。

 大阪地検特捜部が詐欺の疑いで逮捕したミュージシャンで音楽プロデューサーの小室哲哉容疑者も、派手な生活で知られていました。詐欺に手を出すまで収入が減っても、浪費の“メビウスの輪”から抜け出せなかったのでしょうか。

 小室容疑者の作品に「Self Control」というヒット曲がありますが、彼らこそ「『自制』していれば」と思ってしまいます。

 「ぜいたくしたいと思うから詐欺犯になる。金がなくても幸せな人生はいくらでもあるけどな」

 警視庁の捜査員がつぶやいた言葉が耳から離れません。(ひ)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000112-san-soci