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2008年11月07日(金) 13時09分

1200億円、税金無駄遣い 12道府県 07年度検査院報告京都新聞

 会計検査院は7日、官庁や政府出資法人などの2007年度の決算検査報告を麻生太郎首相に提出した。税金の無駄遣いなど不適切な経理処理は計981件、総額は約1253億6000万円に上った。京都府など12道府県の不正経理問題では、計約11億3700万円の不正を指摘した。うち国庫補助金が計約5億5600万円で、残りは自治体単独の事業費。
 ■京都市、226万円過大交付 
 指摘総額は過去最高で、前年度(約310億円)の約4倍。検査院は「登記するよう法務省に求めた国有財産の価格(約313億円)などが含まれており、総額が膨らんだ」と説明している。
 12道府県の不正経理は全容が判明。架空発注などで支払った公金を業者の口座にプールする「預け」は、6府県で計1億円以上が指摘された。検査院は残る35都府県も引き続き調査する。
 報告によると、不正経理の調査は12道府県を選び、02−06年度に国土交通、農林水産両省が交付した公共事業の補助金を含む経理処理を対象に実施した。
 「預け」のほか、虚偽の書類を作り、契約とは別の物品を納入させる「差し替え」、前年度に発注した物品を翌年度に納入する「翌年度処理」など、不正経理の5つの手口を中心に調べた。
 その結果、12道府県すべてで不正があり、うち岩手、栃木、長野、愛知、京都、和歌山の6府県で計約1億400万円の「預け」が判明した。
 不正額は、愛知が約3億1000万円(国庫補助金は約1億3000万円)、次いで岩手が約2億300万円(同約1億700万円)などの順。「預け」は愛知が約6500万円、岩手が約3500万円。愛知は「預け」を「裏金」と認めたが、岩手など5府県は「裏金ではない」としている。
 また、補助事業と関係ない用務の出張旅費に補助金を充てるケースが12道府県すべてで見つかり、不正額は計約4億9500万円だった。
 京都府では国交省と農水省の国庫補助金事業の不正経理が明らかになり、02年度から5年間に旅費や消耗品に充てた4925万円が不適切とされた。
 このほか検査院は、指摘総額のうち約377億円は、法令違反などがあり「不当」としたほか、1946−06年度の報告で指摘後も国庫に返還されていない債権など計約131億8000万円(計465件)を初めて報告に盛り込んだ。
 京都では京都市が区画整理事業に伴う伏見区納所での樋門建設で補助金226万円分を過大交付を受けていたことなどが指摘された。
 滋賀では06年3月に地滑りで通行止めになった国道367号(高島市)の県の復旧事業で補助金2098万円などが不適切な経理処理を指摘された。(一部共同)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000032-kyt-l26