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2008年11月07日(金) 23時35分

パナソニック、三洋電機の子会社化を発表スポーツ報知

 パナソニックと三洋電機は7日、パナソニックが三洋電機を株式公開買い付け(TOB)により来春をめどに子会社化することを正式に発表した。両社は資本・業務提携に関する協議を開始。パナソニックは今後、三洋株の過半数の取得を目指し、大株主の米大手ゴールドマン・サックスなど金融三社と優先株の買い取り交渉を進める。

 パナソニックと三洋は同日、大阪市で記者会見し、パナソニックの大坪文雄社長は三洋が得意とするリチウムイオン電池事業や太陽電池事業を取り込むことで「今後の成長の柱」とすることに意欲を見せた。

 実現すれば従業員約40万人、連結売上高は11兆円超で国内最大の電機メーカーが誕生。世界では米ゼネラル・エレクトリック(GE)に次ぐ第二位となる。メーカー各社で事業の選択と集中が進み、業界再編に弾みがつくことも予想される。

 大坪社長は子会社化の狙いを「経営ノウハウや資源を共有し、国際競争力を強化することだ」と強調した。

 金融3社は普通株換算で三洋の発行済み株式の約7割(議決権ベース)に当たる優先株を保有しており、買収には数千億円の資金が必要になる見通し。三洋の佐野精一郎社長は「9月の金融危機以降、(優先株の売却について)具体的に考えないといけない時期が早まった」と述べた。

 パナソニックは三洋の経営の独立性を尊重し、社名やブランド、従業員の雇用を維持する方針。ただ、大坪社長は「重要性は極めて重いが、単に甘い話はあり得ない」として、将来的には見直す可能性も示唆した。

 三洋はパナソニックの販売網を活用して事業拡大を目指す。また、共同購買によりコスト削減を進め、全事業で収益性の向上を図る。

 両社は早急にプロジェクトチームを立ち上げ、協議を開始。12月末をめどに進ちょく状況を発表する方針。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081107-OHT1T00217.htm