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2008年11月07日(金) 06時03分

大阪ひき逃げ犯は保険金詐欺で執行猶予中だったスポーツ報知

大阪のひき逃げ事件で逮捕され、送検される吉田圭吾容疑者

 大阪・梅田で会社員の鈴木源太郎さん(30)が車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡した事件で、逮捕されたホストクラブ従業員の吉田圭吾容疑者(22)が、2006年10月に交通事故を装った保険金詐欺で熊本県警に逮捕され、執行猶予中だったことが6日、分かった。また、吉田容疑者が働いていた大阪・ミナミのホストクラブの同僚ホストによると、体験入店の試用期間中だったが、勤務態度は悪くなかったという。

 逮捕された吉田容疑者は無免許、飲酒運転に加え、執行猶予中でもあった。大阪府警曽根崎署捜査本部によると、吉田容疑者は2006年10月、交通事故を装い保険金を詐取。熊本県警に逮捕され、昨年1月に、熊本地裁で懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受けていた。

 吉田容疑者は「執行猶予中だったこともあり、逃走した」と供述。鈴木さんを引きずっている間も、車から降りたりせず、またバックミラーで状況を確認したりすることもなく走ったという。犯行に使われたとされる乗用車は、事件後に洗われた形跡がないことも判明。捜査本部は、執行猶予を取り消されることを恐れて逃走を急ぎ、証拠隠滅を図る間もなく、行方をくらましたとみている。

 捜査本部によると、吉田容疑者は熊本県出身で県内の高校を卒業後、道路工事会社に就職。その後、建設会社でとび職として半年働いているときに、保険金詐欺事件を起こしている。05年9月頃から、今回の事件発生時に勤めていた大阪市此花区の建築会社で働き始めた。大阪に来てから、熊本時代の保険金詐欺事件で逮捕され有罪判決を受けたが、社長は解雇などの処分をせず、雇い続けたという。

 ひき逃げ事件を起こした後、吉田容疑者が働いていたホストクラブの同僚によると、吉田容疑者の源氏名は「勇輝(ゆうき)」。2週間に1度はあるというホスト志望の体験入店者の1人で、雑用や初入店客の接客の手伝いなどをしており、逮捕されるまで、3、4回勤務したという。

 吉田容疑者の印象について「ほとんどの体験入店者と同様、人見知りしていた。勤務態度は、言われたことはしっかりやっていた」という。

 ホストクラブの上司らは、吉田容疑者がこのまま辞めずに勤務を続けるようなら、ホームページなどに掲載するための写真を撮影しようという話をしていたといい、本格的にホストとして働く可能性もあったようだ。一方で「店が終わって、みんなで食べたり飲みに行こうという時でも、(吉田容疑者は)すぐに帰っていた」といい、付き合いを避けていたともとれる行動をとっていた。

 捜査本部はこの日、吉田容疑者を殺人と自動車運転過失傷害、道交法違反(無免許運転)の疑いで送検した。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081107-OHT1T00057.htm