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2008年11月07日(金) 00時07分

オバマ氏の「チェンジ」に国内外の期待過熱産経新聞

 【ワシントン=有元隆志】米大統領選で、民主党のオバマ上院議員が当選したことを受け、米国内のみならず海外でも「オバマ・フィーバー」が起きている。「希望」「変革」を訴えてきたオバマ氏ならば、先行きがみえない米国内を、そして世界を変えてくれるかもしれないとの期待感の高まりだ。オバマ氏にとってはこの期待を政策遂行の追い風にする一方で、過熱ぶりをいかに抑えられるかが課題となりそうだ。

 AP通信によると、大統領選の投票者数は5日時点の推計で、約1億3330万人にのぼり、過去40年間で最高になる見通しとなった。ジョージ・メイソン大学のマイケル・マクドナルド准教授の推計によると、投票率はケネディ元大統領が当選した1960年の選挙の63.8%には及ばないものの62.5%を記録、今回の選挙への米国民の強い関心を反映した結果となっている。

 開票作業は5日も一部の州で続き、共和党の強い中西部インディアナ州でもオバマ氏が勝利した。これまでオバマ氏が獲得した選挙人数は349人、得票率は53%。共和党候補ジョン・マケイン上院議員の獲得選挙人数は163人、得票率は46%となった。

 米ニールセン社の調査によると、4日の開票の模様を伝えた米テレビの視聴者数は全米で約7140万人となり、前回2004年の大統領選と比べて21%増となった。

 CNNテレビは、海外の反応として、オバマ氏の父親の出身地であるケニアや、オバマ氏が幼年期を過ごしたインドネシアの喜びの様子のほか、「オバマ」と読み方が同じ福井県小浜市で祝福のフラダンスを披露している人々の模様なども伝えた。

 オバマ氏はシカゴでの当選演説で、人々の期待は受け止めながらも、「前途は長く、上るべき坂は険しい。後退も、つまずきもあるかもしれない」と述べ、「変革」の実現が簡単には進まないと率直に語った。

 そのうえで、「1年や1期(4年)だけでは到達できないかもしれないが、約束する。われわれは目標の地点に必ず到達するということを」との決意を示している。

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