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2008年11月07日(金) 08時02分

富士通が「らくらくパソコン」 携帯に次ぐ高齢者向け戦略フジサンケイ ビジネスアイ

 富士通は6日、シニア層や初心者向けのノートパソコンとして、操作が簡単な「FMVらくらくパソコン」を発売したと発表した。

 大ヒットした同社の携帯電話端末「らくらくホン」と同じ「らくらくブランド」をパソコンにも活用し、“2匹目のドジョウ”を狙う。

 富士通は6月に、通常のパソコンに操作が簡単なソフトを搭載できる「らくらくパック」を発売したが、「パソコン本体自体を簡単にしてほしい」というユーザーの要望が高かったことから新商品を開発した。

 新商品の特長は、大きな文字で独自の色分けを行ったキーボードと、インターネットやメールが簡単に始められる専用のソフト。

 キーボードは利用頻度の高いアルファベット26文字とその他キーを別の色にしたほか、母音のキーを赤や青にして目でとらえやすくした。

 また、パソコンを立ち上げると通常のウィンドウズ画面とは異なる新開発の「らくらくメニュー」が現れるようにした。メニューは「インターネットを見る」「Eメールを読む・送る」など5つに絞った。

 「らくらくホンで『らくらく』という言葉の認知度が高まった」(五十嵐一浩パーソナルビジネス本部長)ことから命名。随所に携帯端末のノウハウを取り入れた。

 パソコンの本体カラーに採用した「シャンパンゴールド」はらくらくホン開発時の調査で人気の高かった色。操作においても、入力するごとに画面が進んでいく方式はらくらくホンが由来だという。

 価格はオープンだが17万9800円前後を想定。今後投入する後継機種も合わせ、シリーズで年間2万台の販売を目指す。

                   ◇

【予報図】

 ■市場活性化へ競争不可欠

 富士通の今年度のパソコン出荷台数(国内)の見込みは270万台。らくらくパソコンの全体への貢献度は大きいとはいえないが、高齢化社会に対応した商品としてインパクトは強い。「パソコンに興味がなかった人たちの潜在的な市場を顕在化させ、伸び率が横ばい気味のパソコン市場全体を活性化させる材料にもなるのでは」(大手メーカー)との指摘もある。

 ただ、パソコンの普及率はすでに8割を超えており、シニア層も従来パソコンを使用してきた世代に移行し、らくらくホンほど市場が広がらないとの見方もある。追随するメーカーの動向が“新市場”を大きく左右することになる。(金谷かおり)

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