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2008年11月06日(木) 02時30分

<小室容疑者>米ブランド服の販売権狙い3千万円追加要求毎日新聞

 詐欺容疑で逮捕された音楽プロデューサー、小室哲哉容疑者(49)が事件の被害者に、容疑の5億円以外にメールで3000万円を追加要求したのは、米俳優が作った子供服ブランドの国内販売権を得る目的だったことが分かった。販売権を巡っては民事訴訟に発展したことが既に判明。小室容疑者は周囲に「(自分と俳優の)コラボレーションで売りたい」などと語っていたが、提訴した女性経営者(39)は「小室さんは大人になれないピーターパンみたいな人」とあきれている。

 大阪地検特捜部は、無計画な事業への取り組みが借金を膨らませたとみている。

 子供服ブランドの会社は米国の俳優チャーリー・シーンさんが06年4月に設立。小室容疑者は同年夏ごろ、ブランドのアジアでの販売を託された女性経営者と知人の紹介で知り合い、国内販売に興味を示したという。

 女性によると、小室容疑者は「西武グループに知り合いがいる」「ショッピングサイトの運営会社の社長と懇意だ」などと人脈を誇示。シーンさんと自分のネームバリューで売り出したいと持ちかけ「最近ヒット曲がないから事業家として動きたい。ハリウッドで人脈づくりがしたい」と熱く語ったという。

 小室容疑者は06年9月19日、3000万円を即日支払う約束で、このブランドを国内で1年間独占販売する代理店契約を女性と結んだ。同日、詐欺事件の被害者である兵庫県内の投資家に「明日までに3000万円振り込んで」とメールを送ったが、融資を受けられず、不払いになった。

 小室容疑者からは何度も「すぐ支払います」と連絡があったが、07年2月ごろに「契約は解消したと思っていました」と返事してきた。その後、連絡がとれなくなったといい、女性は「もう少し誠実に対応してくれたら、こんなことにならなかった」と話した。【藤田剛、林田七恵】

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