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2008年11月06日(木) 23時42分

校長研修会で「それでも教育のプロか」 大阪府教委が喝産経新聞

 大阪府の橋下徹知事が教育改革のブレーンと位置づける府教育委員の陰山英男氏(立命館小学校副校長)らが6日、大阪市内で開かれた小中学校長対象の研修会で講演し、「それでも教育のプロですか。子供に申し訳ないと思いませんか」と厳しい“喝”を入れた。

 研修会は、全国学力テストの成績が2年連続で低迷したことを受け府教育委員会が開催。府教育委員として陰山氏のほか、小河(おごう)勝氏(大阪樟蔭女子大非常勤講師)、府特別顧問の藤原和博氏(東京都杉並区立和田中学校前校長)が参加し、校長、教頭ら約950人が出席した。

 講演で陰山氏は、中学校の地理で教えているヨーロッパの国の数を質問。大半の参加者が間違えると、「だからダメなんです。プロたる教師がそんなことを知らずして世の中がまともに動くはずがない」と語気を強めた。

 さらに、学校をとりまく現状について「金を出さない政府、しつけの悪い親、無責任なテレビ局…。なぜ教師が怒られないといけないのか」と述べ、「皆さんが学力の数値を落としているから反論できない。目くそは鼻くそを笑えないのです。この悔しさを晴らしましょう」と呼びかけた。

 藤原氏は、和田中時代に考案した塾講師を招く特別授業「夜スペシャル」に対し、「成績上位者を引き上げると下位層が損をする」との批判があったことを明かし、「そんなわけはない。(成績が)上の子が下の子を教えるようになり、底上げにつながる」と主張。「遠慮なく、大胆に上の子を引っ張り上げてほしい」と注文をつけた。

 小河氏は「子供たちが荒れる理由は基礎学力の崩壊にある」と持論を述べた。

 講演後には質疑の時間が設けられたが、参加者から挙手はなかった。小学校長の一人は「陰山委員の主張は確かに正論と思うが、厳しい言い方がまるで知事のようだった」と話した。

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