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2008年11月06日(木) 21時17分

オバマ氏、新政権発足に着手 外交ベテラン起用か産経新聞

 【ワシントン=有元隆志】次期米大統領に選出された民主党のオバマ上院議員は、来年1月の就任に向けて、新政権の人事作業に着手した。オバマ氏は選挙戦を通じて、外交・安全保障面での経験不足を批判されたため、外交問題に精通しているベテランを国務長官や国防長官に選ぶのではとの見方が多い。

 オバマ氏は5日、地元シカゴで側近らとさっそく人事構想を練った。オバマ氏は最初の人事として、民主党のクリントン前大統領の上級顧問を務めたエマニュエル下院議員に対し、大統領の懐刀である首席補佐官への就任を要請、同氏も受け入れる見通しという。

 ブッシュ政権との引き継ぎを行う政権移行チームも発足、責任者には、同じくクリントン前大統領の首席補佐官だったポデスタ氏が就いた。移行チームは、当面の最大の課題である金融危機に対処する財務長官ら経済担当閣僚と、イラク問題などに対処する国務、国防長官ら外交・安全保障担当閣僚の人選にあたる。民主党内ではクリントン政権で人事の調整が遅れた反省から、早ければ来週にも国務長官などが発表されるとの観測も出ている。

 AP通信によると、国務長官には、再選されたばかりのケリー上院議員が意欲を示しているという。ケリー氏は上院外交委員会の一員で、オバマ氏の名前が世に知られるきっかけとなった、2004年の民主党全国大会での演説を要請したことで知られる。

 オバマ氏は新政権では党派を超えて課題に取り組むため、共和党関係者も登用する方針を示している。国防長官では、オバマ氏と同様、アフガニスタン問題への取り組み強化を主張しているゲーツ国防長官を当面留任させるのではとの見方もある。ゲーツ氏以外の共和党関係者では、7月のオバマ氏の中東訪問に同行したヘーゲル上院議員の名前が挙がっている。

 このほか、オバマ陣営の安全保障問題担当顧問であるダンジク元海軍長官や、戦略国際問題研究所(CSIS)のハムレ所長(元国防副長官)の名前も出ている。

 また、オバマ氏がパウエル前国務長官の支持を受けたため、パウエル氏に近いアーミテージ元国務副長官を駐日大使などのポストで処遇するとの観測も流れている。

 財務長官には、連邦準備制度理事会(FRB)のガイトナー・ニューヨーク連銀総裁をはじめ、ボルカー元FRB議長、サマーズ元財務長官が取りざたされている。

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