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2008年11月06日(木) 18時23分

<小室哲哉容疑者>逮捕の経営者「貸すのうれしかった」 資金提供3億円 毎日新聞

 音楽プロデューサー、小室哲哉容疑者(49)による詐欺事件で、共謀したとして逮捕された広告会社経営、木村隆容疑者(56)が、借金の肩代わりや手形決済、高級車の買い取りなどで小室容疑者に3億円以上の資金提供をしていたことが分かった。事件で、木村容疑者は小室容疑者を被害者の男性に紹介し、架空の著作権譲渡を持ちかける際も、事前に口裏あわせをしていた。

 特捜部は、小室容疑者が木村容疑者に金銭面で依存し、2人が「一蓮托生(いちれんたくしょう)」の関係で事件に至ったとみている。

 木村容疑者は逮捕前、毎日新聞の取材に応じ、小室容疑者との関係を詳細に語った。それによると、木村容疑者は04年ごろ、スペインのサッカークラブ「レアル・マドリード」のプロモーション業務を通じて小室容疑者と知り合った。当時、すでに借金返済に窮していた小室容疑者から「銀行の手形が落とせない。助けてくれ」と泣きつかれ、9800万円を立て替えた。05年には小室容疑者のベンツを5500万円で買い取ったという。

 一方で、「スポーツを通じて社会貢献したい」という小室容疑者に、サッカーJ1「大分トリニータ」を紹介。小室容疑者が取締役を務めるイベント会社「トライバルキックス」がスポンサーになったが、スポンサー料の一部は木村容疑者が支払ったという。

 06年8月、小室容疑者らが楽曲の著作権譲渡を持ちかけ、被害者の男性から5億円をだまし取った時、木村容疑者は小室容疑者の借金返済など1億5000万円を立て替えていた。うち8000万円は消費者金融からの小室容疑者の借金という。

 木村容疑者は取材に「最初は雲の上の人だったから、金を貸すのもうれしかった。でも本当にお金がないし、見せかけだけ。ビッグネームにだまされた」と話した。【藤田剛、林田七恵】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081106-00000018-maiall-soci