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2008年11月05日(水) 03時02分

小室容疑者、300曲の著作権を既に二重譲渡読売新聞

 音楽著作権の売却話を巡る詐欺事件で大阪地検特捜部に逮捕された音楽プロデューサー・小室哲哉容疑者(49)が、音楽プロモーション会社など2社から計2億4000万円の借金をし、その「代物弁済」として、音楽出版社に譲渡していた806曲の著作権のうち約300曲を2社に二重譲渡していたことがわかった。

 事件の被害者である兵庫県芦屋市の会社社長(48)への売却話は「三重譲渡」にあたることになる。

 2社は、音楽プロモーション会社「ティーケートラックス」(東京都中央区)と、小室容疑者が取締役を務めるイベント企画運営会社「トライバルキックス」(東京都港区)。ティーケートラックスは、小室容疑者の高校時代の同級生が1991年に設立した。

 捜査関係者などによると、小室容疑者はティーケートラックスには約2億円、トライバルキックスには約4000万円の借金があったが、ティーケートラックスには2005年に「CAN YOU CELEBRATE?」など主要な約290曲、トライバルキックスには06年に「DEPARTURES」など12曲の著作権をそれぞれ譲渡し、返済に代えたという。

 約300曲はすでに数十社の音楽出版社に譲渡されていたが、ティーケートラックスは05年秋以降に290曲のうち14曲を、トライバルキックスは12曲すべてをそれぞれ文化庁に登録。小室容疑者が社長に806曲の著作権売却を持ちかけたのは06年7月で、大半がすでに二重譲渡の状態にあったことになる。しかし、特捜部の発表によると、小室容疑者は売却話の際、社長に対し、「僕は音楽出版社から完全に独立していますから、僕の過去の曲の著作権については、音楽出版社との間でも、全部、僕の手元に残しておくという契約になっています」などとうそをついていたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000005-yom-soci