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2008年11月05日(水) 02時30分

<定額給付金>所得制限導入方針 政府、与党ばら撒き批判で毎日新聞

 政府・与党は4日、追加経済対策に盛り込んだ「生活支援定額給付金」(総額2兆円規模)について、高額所得者を支給対象から除外することで一致した。麻生太郎首相は当初「全世帯」への支給を表明していたが、「ばらまき」批判に、修正を余儀なくされた。ただ、所得把握には時間がかかることから年度内支給に影響が出る可能性があるほか、支給対象者の所得上限ラインをどこに設けるかなど難題も浮上している。

 麻生首相は4日昼、「貧しいとか、生活に困っているところに出すんであって、豊かなところに出す必要はない。分け方は政府の中で検討している」と述べ、所得制限を行う考えを示した。同日夜には「どの辺でカットするか分からないが、自主申告とか考えないといけない。うまくやるように考える」とし、所得制限の方法として自主申告などを念頭に置いていることを示した。首相官邸で記者団に語った。

 所得制限をめぐっては、与謝野馨経済財政担当相が所得制限を主張し、「日本人は正しく申請するとの前提にすれば、制度は非常に簡単になる」などと自主申告案を提案していた。一方、中川昭一財務・金融担当相は「事務手続きにかなり時間がかかるので、年度内で迅速にという観点からは一律にやらざるを得ない」と早期支給のため一律支給を求めていた。

 政府・与党内で意見が割れていることから、自民党の保利耕輔政調会長、与謝野経済財政担当相らが4日、同党本部で協議。「生活支援を必要としない所得層に給付するのはおかしい」として、所得制限を設けることで一致した。

 ただ、所得を把握するには事務手続きが複雑になり、公明党が強く求めている年度内実施が不可能になる可能性がある。所得の上限ラインについても年収1000万円前後との案が出ているが、4日の政府・与党協議では「そこまで話がいかなかった」(自民党幹部)というのが現状だ。【西田進一郎、三沢耕平】

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