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2008年11月05日(水) 00時33分

<国民会議>消費増税への道筋が焦点 衆院選控え難航も毎日新聞

 政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)が4日、年金、医療、介護など社会保障の機能強化と安定財源に関する最終報告を発表したことを受けて、今後は、政府が消費税増税も含めた安定財源確保の具体的な道筋を付けられるかどうかに焦点が移る。麻生太郎首相は「(社会保障)改革実施に向けた手順を工程表で具体化することが必要」と年末にまとめる税財政改革の「中期プログラム」で国民負担の展望を示す考えだが、次期衆院選を控えて議論は難航が予想される。

 同国民会議は今回の最終報告で役割を終え、財源確保など今後の具体論は座長の吉川東大教授も民間メンバーを務める政府の経済財政諮問会議(議長・麻生首相)や自民党税制調査会(津島雄二会長)などが主導する。国民会議が最終報告で示した「基礎年金で現行の社会保険方式を維持した場合に2015年に消費税(現行5%)を3.2〜3.5%程度引き上げる必要」との試算が議論の中心となる見通し。「消費税8%にどう持っていくかが焦点」(財務省筋)だ。

 諮問会議の仕切り役で財政健全派の与謝野馨経済財政担当相は「景気回復後の消費税の1%ずつの段階的な引き上げ」や「食料品などへの軽減税率の適用」にも言及するなど、社会保障の財源確保の青写真作りに意欲的だ。しかし、自民党税調内では「景気悪化の最中に将来とはいえ、消費税の上げ幅や時期を明示するのは困難」との慎重論が根強い。【須佐美玲子】

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