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2008年11月05日(水) 12時20分

不正経理で冷蔵庫、靴購入 なしは2カ所のみ中日新聞

 【愛知県】国の補助金と県費合わせて総額3億1000万円に上る不正経理問題で、県は4日、会計検査院から指摘された建設部と農林水産部の2002−06年度分について、本庁と各出先機関別の不正経理額や不正購入された品目、数量などの調査結果を発表した。

 建設、農水の計16事務所のうち「預け金」などによる不正な物品購入額が最も多かったのは新城設楽建設事務所(3851万円)。以下、新城設楽農水(3153万円)、知多建設(1863万円)、豊田加茂農水(1717万円)の順だった。

 豊田加茂農水はキャスター付き旅行かばんや冷蔵庫2台、トレッキングシューズ8足などを不正に購入。旅行かばんは出張時に書類を運ぶ際に使い、シューズは山間地での作業用という。

 佐久間正明所長は「不正経理の存在を知らなかったので驚いている。公金に対する職員の認識が不足していた」と述べた。

 一方、今回の調査で裏金による物品の不正購入が見つからなかったのは、知多農水と知立建設の2カ所。知立建設事務所の臼杵達夫次長は「年度をまたいだ納入などの誤った手続きがあったので反省しなければならない」として、今後も調査する姿勢を示した。

 (中村清) 

 神田真秋知事の4日の定例会見での主なやりとりは次の通り。

 −新城設楽農林水産事務所の公金詐取事件で県職員が詐欺容疑で逮捕された。

 逮捕の事案は、不正処理の手法や手口が(架空発注して業者にプールする裏金の「預け金」と)相通ずるものがあり、無関係とは思っていない。不正処理があったことが個人的犯罪に走らせた。当初から詐取しようという意思があったといえ、背景にあるのは不正処理だ。

 −自らも含めた責任と処分は。

 不正経理の事実を解明し、それを受けてこういうことが2度と起きないようどう対処すべきかが重要であり、少しでも県民の信頼回復に努めなければならない。処分と責任はその後の話で、いま言及することではない。

 −内部調査の進捗(しんちょく)状況と今後のスケジュールは。

 県議会が決算の認定手続きを見送った2007年度分で不正経理の有無を最優先に調べており、12月上旬までに調査を終える。その後、地方機関と物品購入費を中心に02−06年度分を調べ、年内には作業を終えたいが、公表は年明けになるかもしれない。

 −再発防止にどうつなげるのか。

 地方機関が終われば本庁も、国の補助事業だけでなく、県の単独も、物品購入費以外の賃金や旅費も調べる。改善の対応策を検討するため、時期は明示できないが、私を中心に新しい組織を立ち上げないといけない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000010-cnc-l23