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2008年11月05日(水) 16時51分

18億で売れず値下げ 著作権譲渡、小室容疑者ら中国新聞

 著作権譲渡をめぐる詐欺容疑で大阪地検特捜部に逮捕された音楽プロデューサー小室哲哉こむろ・てつや容疑者(49)らは当初、十八億円で著作権の譲渡契約を結ぼうと、大手広告代理店などに持ち掛けていたことが五日、分かった。

 しかし、次々と断られた末、兵庫県芦屋市の投資家男性と十億円で合意。特捜部は、小室容疑者が八億円も値下げせざるを得ないほど切迫した状況にあったとみて、経緯を調べる。

 関係者によると、小室容疑者らは、二〇〇五年ごろ、既にほかの音楽出版社に譲渡していた著作権を二重譲渡する形で現金を得ようと計画。十八億円を提示して大手広告代理店などを回った。

 その中に小室容疑者が三億円の「高利融資」を受け、詐取したとされる五億円のうち約三億四千万円を返済に充てたA・Cホールディングス(東京、旧南野建設)も含まれていたという。

 契約は成立せず、〇六年六月、共犯とされるプロダクション役員の木村隆きむら・たかし(56)、平根昭彦ひらね・あきひこ(45)の両容疑者は投資家と十八億円で交渉を開始。折り合いが付かず、小室容疑者が十億円に値下げし、八月に仮契約が成立した。

 小室容疑者が、前妻に差し押さえられていた印税収入について「差し押さえ解除のため五億円が必要」などと要求したため、投資家は先に五億円を送金。しかし、その後、著作権の譲渡権限がないことが発覚すると、小室容疑者は七億円に減額することも申し出たという。

 特捜部は五日、小室容疑者に兵庫県の投資家を紹介した木村容疑者の東京都中野区の自宅など関係先を家宅捜索した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811050295.html