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2008年11月05日(水) 21時19分

オバマ氏決意表明「あなたの大統領になる」スポーツ報知

4日夜、オバマ上院議員(左)が米大統領に当選し、副大統領就任が決まったバイデン上院議員(共同)

 米大統領選で初当選した民主党のオバマ次期大統領(47)は4日夜、地元シカゴで10万人以上の支持者を前に演説し、人種の壁を乗り越え「民主主義の力」を実証したと勝利の歴史的意義を強調。「わたしはあなたの大統領になる」と表明して国民の結束を促し、変革を実現する決意を示した。

 民主党は8年ぶりに共和党から政権を奪回。オバマ氏は来年1月20日の新政権発足に向け、閣僚人事など政権移行準備を今後本格化させる。

 国際社会に対しては、ブッシュ政権の単独主義外交で米国が孤立した点を踏まえ、軍事力だけでなく対話も取り入れた複合的なアプローチで、国際社会のリーダーとしての信頼を取り戻す考えを強調した。

 演説の冒頭、オバマ氏は「米国の可能性や民主主義の力を疑う人がいるなら、今夜(の勝利)がその答えだ」と言明。「これはあなたたちの勝利だ」と訴えた。

 同時に「この勝利だけでは、われわれが求める変革とは言えず、変革を起こすチャンスにすぎない」と指摘し「(イラクとアフガニスタンでの)二つの戦争、危機にさらされた地球の問題、100年に1度の金融危機」など重要な課題が山積していることを強調。

 「この先の道は長く、険しい上り坂だ。1年や一期の任期では、たどり着けないかもしれない」と国民に忍耐を呼び掛けた上で「今晩ほど希望を持ったことはない。約束しよう。われわれはやり遂げる」と誓った。

 さらに国際社会に向け「世界を破滅させようとする者は打倒する。平和と安全を求める者には手を差し伸べる」と表明。「米国の真の強さは軍事力や富ではなく、民主主義や自由、不屈の希望だ」として、国際的な指導力回復を宣言した。

 オバマ氏は勝利に必要な選挙人270人を大きく上回る349人を獲得した。

 敗れた共和党のマケイン上院議員に対しては「勇敢な無私無欲の指導者」と敬意を表し、今後の超党派での協力に期待を示した。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081105-OHT1T00282.htm