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2008年11月05日(水) 00時00分

オバマ氏優勢で決戦 大統領選投票始まる中国新聞

 【ワシントン4日共同=有田司】米大統領選の投票が四日朝(日本時間同日夜)、東部各州から順次始まった。景気後退入りが確実視される経済の立て直しやイラク戦争への対応を争点に、国民は八年にわたったブッシュ政権を総括し、新たな米国の針路を選択。結果は日本を含め各国にも影響を及ぼす。初の黒人大統領を目指す民主党のオバマ上院議員(47)が、共和党のマケイン上院議員(72)に対して優位を保ったまま決戦の日を迎えた。

 オバマ氏が勝利すれば八年ぶりに民主党政権が誕生。人種差別の壁を乗り越え、米国の歴史に大きな一歩を刻むことになる。マケイン氏が勝てば一期目としては最高齢の大統領に、ペイリン・アラスカ州知事(44)が初の女性副大統領となり、いずれの場合でも歴史的な選挙となる。

 開票に混乱がなければ、四日深夜から五日未明(日本時間五日昼から夕)に大勢が判明する可能性が高い。国民の高い関心を反映し、一九六〇年代以来の高投票率が見込まれている。

 オバマ氏は四日朝(日本時間同日夜)、地元シカゴで妻ミシェルさんらとともに投票した。

 各種世論調査の支持率ではオバマ氏が5—10ポイント前後のリードを維持し、勝敗の鍵を握る激戦州のオハイオ、フロリダ、バージニアなどでも優勢。マケイン氏は直前まで態度を決めていない有権者の支持に最後の望みを託し、三日には全米七州を遊説する過酷な日程をこなした。

 「変革」を掲げて選挙を戦ったオバマ氏は、イラク戦争終結を公約。雄弁な演説で支持を拡大し、指名争いで本命候補だったヒラリー・クリントン上院議員(61)を激戦の末に下し勢いに乗った。本選では金融危機を招いた共和党のブッシュ政権を批判し、マケイン氏をブッシュ氏と同一視する戦術で支持を固めた。

 一方のマケイン氏はイラク戦争での「勝利」を訴え、オバマ氏との経験の差を前面に出したが、ブッシュ政権の低支持率のあおりを受けて苦戦。終盤ではブッシュ氏と距離を置く一方、オバマ氏を増税と歳出拡大を招く「社会主義者」と攻撃し、局面打開を図った。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811050100.html