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2008年11月05日(水) 19時45分

<米大統領選>オバマ氏勝利で追い風の民主、逆風の自民毎日新聞

 米大統領選でバラク・オバマ上院議員が勝利し、民主党が8年ぶりに政権の座につくことは、衆院解散・総選挙の時期を巡り与野党の駆け引きが続く日本政界にも波紋を広げることになった。「チェンジ」を掲げたオバマ氏にあやかりたい民主党が「政権交代に向けて追い風」と意気込むのに対し、与党の一部からは「次の選挙は厳しくなる」「これで解散ができなくなった」などと影響を懸念する声が上がった。

 「黒人初の大統領は米の歴史上考えられない大転換。日本にも戦後60年間続いた自民党政権を大きく転換する力が起きている」

 民主党の山岡賢次国対委員長は5日昼、国会内で開いた国対筆頭理事合同会議でオバマ氏と小沢一郎代表のポスターを背に声を張り上げた。鳩山由紀夫幹事長も記者団に「日本も国民の皆さんが『チェンジ』が必要なんだという思いになるのではないか」と期待感を示した。

 与党は、オバマ氏勝利が民主党に有利に働くかどうかについて「全く関係のないことだ」(太田昭宏公明党代表)などと平静を装う声が多かった一方、自民党の尾辻秀久参院議員会長は国会内で記者団に「米国民が苦しいから変革を求める。同じことは日本国民にも言える」と指摘。「次の選挙が自民党にとって厳しくなるのは間違いない」と述べた。

 山本一太前副外相も毎日新聞の取材に「これでは解散できない。米国の政権交代は日本の有権者の心理に影響を与える」と語った。

 ただ、民主党も「歓迎ムード」一色ではない。前原誠司副代表は毎日新聞の取材に「来年の世界経済は今年より悪くなる。衆院解散・総選挙の時点でオバマ氏がどういう評価を受けているか、中長期的に見ないといけない」と指摘した。

 一方、共産党の志位和夫委員長は「オバマ氏の政策にはアフガニスタン戦争への米軍増派と同盟国の協力取り付け強化も含まれる。『変革』の路線がどう具体化されるかに注目する」とのコメントを発表した。【野口武則、山田夢留】

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