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2008年11月05日(水) 22時18分

<米大統領選>敗北の共和党、立て直し急務に毎日新聞

 【ワシントン草野和彦】共和党にとって今回の大統領選の結果は、80年代の保守革命を契機とする共和党時代の終わりを告げるものとなった。今後は党の立て直しが急務となる。

 共和党の大統領候補、マケイン上院議員は地元アリゾナ州フェニックスのホテルで敗北を認めた。黒人差別の歴史に触れ「オバマ氏は偉大なことを成し遂げた」と称賛。落胆する支持者に「失望を乗り越えて団結しなければならない」と呼び掛け、舞台を去った。

 首都ワシントンの党全国上院選挙委員会本部も4日夜、沈痛な雰囲気に包まれた。委員長のエンシン議員(ネバダ)は「こんな夜が来ることは予期していた」との声明を発表。声明は、74年にニクソン大統領を退陣に追い込んだウォーターゲート事件にも触れ「我々は『ウォーターゲート』以上に厳しい状況下にある」とした。

 公民権運動高揚に伴いリベラル化した民主党から離れた層を取り込んだのが、レーガン政権の保守革命だ。80年選挙で上院で過半数を奪取し、下院でも大躍進。94年選挙では40年ぶりに両院を制覇し、下院では一気に54議席も増やした。だが、今選挙の結果、下院では民主党にそれ以上の差を付けられた。

 「オバマ大統領」のもとで、連邦政府提供の医療保険制度、公共事業による雇用創出など、共和党が描く「小さな政府」とは反対の政策が打ち出されるとみられる。デミント上院議員(サウスカロライナ)は「国民から再び信用を取り戻すには、党の改革が必要。それには、指導部の交代か新たな方向性を打ち出すことから始めなければ」と語った。

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