記事登録
2008年11月05日(水) 22時07分

<白川日銀総裁>金融危機で実体経済の先行きに警戒感毎日新聞

 日銀の白川方明総裁は5日、東京都内で講演し、世界的に拡大した金融危機について、「金融機関へ資本注入が行われても、すべての問題がただちに解決されるわけではない」と指摘。実体経済も「金融部門のさまざまな過剰の調整が進行する間は、経済活動に下押し圧力がかかり続ける」と先行きに警戒感を示した。

 金融危機による市場の混乱を受けて、日銀は先月31日の政策委員会・金融政策決定会合で政策金利(無担保コール翌日物)を年0・5%から0・3%に引き下げた。今後の金融政策について白川総裁は「当面は米欧金融システムの影響を中心に経済の下振れリスクに注意を払うことが重要だ」と景気に配慮する姿勢を強調した。

 ただ、「金利引き下げが市場機能を阻害し、資金の流れを悪くする可能性にも十分配慮する必要がある」との考えも示した。【斉藤望】

【関連ニュース】
日銀:下げ幅めぐり可否同数、総裁決める 0.2%利下げ
0.2%利下げ決定 年0.3%に
日銀:利下げ検討 慎重姿勢を一転、米欧方針と協調へ
日銀:利下げ検討…景気悪化懸念、7年半ぶり緩和
金融危機:元日銀審議委員 田谷禎三氏に聞く

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000147-mai-bus_all