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2008年11月05日(水) 21時59分

<16年五輪招致>オバマ氏勝利でシカゴに「追い風」期待毎日新聞

 【ワシントン高橋秀明】米大統領選で、民主党候補のバラク・オバマ上院議員が勝利した。オバマ氏は16年夏季五輪開催地に立候補したシカゴ市内に自宅を持つ。シカゴのデイリー市長は4日、米メディアに「バラクが五輪運動の後ろに控えていることは重要。大統領の助けで、大きな前進を果たすことができる」と語った。

 シカゴは96年アトランタ大会以来、20年ぶりとなる米国での夏季五輪開催を目指す。地元では、オバマ氏の大統領就任が東京、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)との招致争いに「追い風」になると期待する声が大きい。初の黒人大統領になるオバマ氏の清新なイメージや、国際社会との「対話」を重視してイラク戦争には反対の立場をとる姿勢などから、英BBCの調査ではブッシュ共和党政権の単独行動主義に批判的だった欧州諸国で、同党候補のマケイン氏より高い好感度を得た。16年五輪開催都市は来年10月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まるが、投票するIOC委員の好感度も高まるとの見方も強い。

 12年ロンドン夏季五輪は英国のブレア首相、14年ソチ冬季五輪はロシアのプーチン大統領(ともに肩書は当時)が、招致活動に大きな役割を果たしたとの分析結果もある。オバマ氏自身も今年6月、シカゴで開かれた16年夏季五輪招致イベントで「16年は私が大統領任期の2期目を終えるころだ」と語り、8年後のシカゴ五輪実現に向けても前向きな姿勢を見せている。

 ◇石原都知事「こっちはこっちの姿勢で戦う」

 オバマ氏当選の報を受け、東京五輪招致委員会会長の石原慎太郎・東京都知事は5日、「オバマさんの(16年五輪への)姿勢や評価は知らないが、こっちはこっちの姿勢で戦わざるを得ない。世界の歴史のうねりの中で、米国の限界をみんなが感じ出している。(開催地の)投票をする人が、そういう流れをどうとらえるか」などと話した。

 また、日本オリンピック委員会(JOC)の市原則之常務理事は「シカゴには追い風だろう。東京はまず足元を固め、国内を盛り上げていくことが大事」と語り「最近の五輪招致は国の支援の度合いが大きく影響する。日本もそのレベルの方にぜひ(IOC総会に)行ってもらいたい」と、首相の総会出席も含む政府支援の必要性を強調した。

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