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2008年11月05日(水) 21時57分

米民主党 上下両院選挙も大勝 産経新聞

 【ワシントン=渡辺浩生】米大統領選と同時に上下両院議員選と州知事選が4日、実施され、米メディアによると、民主党は上院で議席を現有の51議席から増やしたほか、下院でも議席を上積みして大勝した。同党が大統領選と上下両院選で同時に勝利したのは1992年以来、16年ぶり。金融危機やブッシュ現政権の支持率低迷が大統領選と同様、民主党に追い風となった。議会運営にこれまで以上の主導権を発揮することになりそうだ。

 今回は上院(定数100)のうち35議席、下院の全435議席、州知事の11人が改選された。CNNテレビによると、5日午前5時40分(日本時間同日午後7時40分)現在の獲得議席数は、上院(非改選議席を含む)で民主党が56(民主党系無所属2を含む)、共和党が40。

 一方、下院は民主党が251、共和党が173となっている。知事選でも、民主党はデラウェア、ノースカロライナなど7州で勝利が確実となり、共和党は4州にとどまる見通し。

 上院の注目州では、ケンタッキー州で共和党院内総務のマコネル議員が辛うじて議席を守ったものの、ノースカロライナ州では労働長官など閣僚経験のある共和党現職のエリザベス・ドール議員が、民主党の女性の新人、へーガン候補に敗れた。また、保守層が多いバージニア州でも民主党新人のウォーナー前同州知事が初当選し、現職のウェブ議員とともに民主党が議席を独占した。

 アラスカ州では、石油企業からの便宜供与問題で先月、有罪評決を受けた共和党のスティーブンス議員が議席を守れるか否かが注目されている。

 今回の民主党の大勝は、今後4年間の米国の経済政策や外交・安全保障政策に大きな影響を与えそうだ。

 来年1月に招集される新議会で、追加景気対策や金融規制強化の審議が民主党主導で開始する見通しで、中流層向け減税や医療保険拡充などオバマ次期大統領の公約も議会の協力で法案化が進められるとみられる。

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