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2008年11月05日(水) 13時27分

対日重視は変わらず=「拉致」停滞の懸念も−オバマ次期政権時事通信

 【ワシントン4日時事】次期米大統領に当選確実となった民主党のオバマ氏は、日本との強固な同盟関係を維持する考えを表明しており、共和党から政権が移っても対日重視の姿勢は変わらない見込みだ。ただ、対北朝鮮外交が直接対話による融和路線に転じ、拉致問題が停滞する懸念もある。また、対テロ戦の最前線と位置付けるアフガニスタンでの作戦で日本に新たな支援を要請することが予想される。
 オバマ氏は9月の麻生太郎首相就任時に出した声明で「日米両国民は利益と価値を共有しており、不朽の同盟関係を構築できると信じる」と強調。アジアの安全保障や地球温暖化対策などで日本と緊密に連携したいとの意向を示している。
 民主党のクリントン前政権が中国重視の姿勢を取ったことから、「ジャパン・パッシング」(日本外し)の再来を懸念する声も一部にあるが、日米外交筋は「共和党が親日で、民主党は親中というのは偏った観念。米国が多国間外交を進める上で日本は無視できない存在だ」と指摘する。オバマ氏は北朝鮮核問題の6カ国協議を継続させる方針を示す一方で、米朝2国間交渉にも前向きだ。オバマ次期政権が直接対話に傾斜して融和姿勢を強めた場合、北朝鮮が拉致問題への取り組みを鈍らせたり、日米の足並みに乱れが生じたりする可能性がある。 

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000066-jij-int