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2008年11月04日(火) 03時04分

新銀行融資の企業グループ、大手銀行は粉飾見破る読売新聞

 新銀行東京(東京都新宿区)を舞台にした詐欺事件で、警視庁に社長らが逮捕されたソフトウエア開発販売会社「アシストプラン」(大阪市)が、新銀行から融資を受けた2006年、大手銀行に関連会社の決算書の粉飾を見破られていたことがわかった。

 当時、アシストプランの企業グループに計約5億円を融資していた大手銀行は、支援を打ち切り、返済を要求したという。

 粉飾を見抜けなかった新銀行の融資のずさんさが改めて浮き彫りになった。

 同庁関係者によると、アシストプランは、大阪市内を中心に複数の関連会社で企業グループを作っており、05年ごろから大手銀行との取引を始めた。ところが、大手銀行が06年11月ごろ、アシストプランの財務担当幹部だった大杉澄夫容疑者(46)が社長を務める通信機器販売会社(同)から提出されていた決算書を調べたところ、売上高が水増しされていたことを突き止めたという。

 同企業グループはこの時点で、新銀行からの不正融資の受け皿に利用した中野区の設備会社「リフレックス」を含め、大手銀行に総額約5億円の融資残高があった。大手銀行は、グループ全社に対する支援の打ち切りを決め、資金の返済を要求。アシストプラン社長の寺口士文容疑者(32)は「全額返済するから、粉飾を表ざたにしないでほしい」と懇願したという。

 結局、大手銀行は翌07年3月ごろまでに、約1億円の資金を回収したほか、債権を処分し、同グループとの関係を絶ったという。

 アシストプランは、06年3月に新銀行の上野出張所(当時)から約5000万円の融資を受けたほか、半年後の同9月には、池袋出張所(同)からリフレックスを受け皿にして、売上高を改ざんした決算書をもとに約5000万円の融資を不正に引き出していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000040-yom-soci