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2008年11月04日(火) 01時12分

<ユーロ圏>統合以来、初の景気後退 2四半期連続マイナス毎日新聞

 【ドバイ(アラブ首長国連邦)藤好陽太郎】欧州連合(EU)の欧州委員会は3日、ユーロ圏15カ国などの秋季経済見通しを発表した。ユーロ圏の実質域内総生産(GDP)は2四半期連続でマイナス成長となり、景気後退に陥ると認めた形だ。ユーロ圏の景気後退は99年の通貨統合以来、初めて。金融危機が景気に深刻な打撃を与えるとの見通しで、世界同時不況が避けられないとの見方も出てきた。

 ユーロ圏の成長率は08年4〜6月期に前期比0.2%のマイナスを記録。これに7〜9月期も同0.1%マイナスと続き、景気後退となる見通しだ。10〜12月期も0.1%のマイナス成長となる。

 これに伴い、08年の年間成長率は1.2%と、07年の2.7%から急減速する。09年は0.1%とさらに悪化し、10年も0.9%と潜在成長率(2%程度)を大幅に下回る見通しだ。

 08年4〜6月期にゼロ成長だったEU27カ国も7〜9月期以降、2四半期連続のマイナス成長となる見通し。

 欧州委は、金融危機の影響で住宅市場の下落や設備投資の落ち込みなどに見舞われる点を強調。失業率も09年に8.4%に増加するとした。

 国別に見ると、08年4〜6月期から、独仏伊が3四半期連続でマイナス成長となり、スペイン、ポルトガルのほか非ユーロ圏の英国、スウェーデンも10〜12月期に景気後退入りすると予想している。英国は最も深刻で5四半期連続でマイナス成長が続き、09年は1%成長に落ち込むとの見通しだ。

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