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2008年11月04日(火) 00時00分

分断後初の台湾訪問 中国側最高レベル要人中国新聞

 【台北3日共同=浜口健】中国の対台湾交流窓口機関、海峡両岸関係協会の陳雲林ちん・うんりん会長が三日、台湾側、海峡交流基金会の江丙坤こう・へいこん理事長とのトップ会談のため、北京から直行チャーター便で台北入りした。一九四九年の中台分断後、台湾を訪れた最高レベルの中国要人で、両機関による中台対話でも初めての中国側トップの訪台となった。

 四日のトップ会談で、週末だけの運航だった直行チャーター便の平日就航などで合意する予定で、台湾海峡両岸の往来が一段と活発化する。

 しかし台湾では有害物質メラミンによる汚染粉ミルク事件で住民に反中ムードが高まっており、野党、民主進歩党の支持者らが陳会長のホテル周辺などで抗議活動を繰り返したため、当局が厳しい警戒態勢を敷いた。

 中国国務院(政府)台湾事務弁公室の王毅おう・き主任は北京の空港で三日、「今回の協議で『三通』(通信、通商、通航の直接開放)が完成する。中台間の分厚い氷は打ち砕かれ、道がつながった」と述べ、五月の馬英九ば・えいきゅう政権発足後、改善が進む中台関係が平和発展への道を歩み出したと強調した。

 陳会長を出迎えた江理事長は「ここまで来るのに中台は約六十年を費やした。歴史的な瞬間だ」とあいさつ。陳会長は「会談は関係発展の重要な一歩」と話した。

 今回の会談では食品の安全管理についても協議する。陳会長は六日、胡錦濤こ・きんとう国家主席の事実上の代理として馬総統と会談。中国からのパンダ受け入れでも正式合意する。

 中台対話は九二年に始まり、台湾側トップは二回訪中。中国側トップの訪台は九九年秋に汪道涵おう・どうかん会長(故人)が予定していたが、当時の李登輝り・とうき総統が「二国論」(中台は特殊な国と国の関係)を提起したことに中国が反発、中止となった。今回の訪台実現で、双方トップが相互訪問する「対話の枠組み」が確立した。

 陳会長は七日まで滞在し、国民党の呉伯雄ご・はくゆう主席や連戦れん・せん名誉主席らとも会談する。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811040039.html