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2008年11月04日(火) 00時00分

金融、給油法案で論戦 野党「侵略正当化」追及へ中国新聞

 国会は四日から、金融機関に公的資金を資本注入する金融機能強化法と、インド洋での自衛隊による給油活動を継続する新テロ対策特別措置法の両改正案をめぐり、早期成立を目指す政府、与党と野党が激しい論戦を繰り広げる。田母神俊雄たもがみ・としお・前航空幕僚長が過去の侵略戦争を正当化する論文を発表した問題では、野党が麻生太郎首相や浜田靖一防衛相を厳しく追及する見通しだ。

 自民、公明の与党は、麻生首相が衆院解散を当面見送ったことを受け、消費者庁設置法案についても早期に審議入りしたい意向。民主党は金融危機を踏まえ、衆参予算委員会での集中審議を要求、年金記録改ざん問題などでも政府を揺さぶる。

 四日の衆院財務金融委員会では、金融機能強化法改正案の質疑が行われる。民主党は、農林中央金庫への公的資金投入には国会議決が必要として修正を要求。自民党は経営責任の明確化などでは修正をのんだが、農林中金に関する国会議決には強く反対している。

 五日の参院外交防衛委は、対テロ新法改正案で参考人質疑を行う。政府が提出したアフガニスタン調査団報告書に対し、民主党は「項目の羅列で中身がない」と反発、国政調査権発動も辞さない構え。前空幕長の論文問題もあり、成立は中旬以降にずれ込む可能性がある。

 麻生首相と民主党の小沢一郎代表による党首討論は、まだ実現していない。与党は直接対決を望む首相の意向を踏まえ、五日開催を目指すが、野党は「党首討論より集中審議が先」と主張しており、開催のめどは立っていない。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811030278.html