数々のミリオンセラーを手掛けた“天才”ミュージシャンの目に、うっすらと涙が浮かんだ。四日、詐欺容疑で大阪地検に逮捕された音楽プロデューサー
小室容疑者は、白のTシャツに黒のパーカ姿。午前七時五十分ごろ、大阪市内のホテルからワンボックス車に乗り込み、地検係官に両脇を挟まれるように後部座席に座った。やつれた様子で、目にはうっすら涙も。さかんに髪をいじり、悔しそうに唇をかんだ。
約二十分後、百人以上の報道陣が集まり、ヘリコプターの音が鳴り響くなか大阪地検に到着。小室容疑者は背中を丸めてうつむき、一斉に光るフラッシュに少し苦笑したような表情を浮かべて地検庁舎に入った。
東京・西新宿のオフィス街。カラオケでよく歌ったという埼玉県熊谷市の会社員
自宅兼事務所が入る東京・西麻布の高級マンションには午前八時すぎ、地検係官ら十二人が家宅捜索に入った。近くで働く女性(55)は「ちやほやされて、地に足が着かなくなっていたのでは」と切り捨てた。
「小室哲哉記念ホール」がある東京都国分寺市の母校・早稲田実業の職員は「二年前は甲子園優勝で注目された。久しぶりの話題がこんな話とは」と嘆いた。
大分県臼杵市で料亭を営む、小室容疑者の妻KCO(音楽グループ「globe」のKEIKO)さんの母(61)は十月、金銭トラブルについて「寝耳に水だった」と困惑した表情で話していた。