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2008年11月04日(火) 22時02分

小室容疑者、月5%高利“借金” 返済切迫で譲渡主導か東京新聞

 著作権譲渡をめぐる5億円の詐欺容疑で大阪地検特捜部に逮捕された音楽プロデューサー小室哲哉容疑者(49)が、かつて仕手戦の舞台となった投資・建設事業持ち株会社から“高利融資”を受け、5カ月後に詐欺事件を起こしていたことが4日、分かった。5億円のうち約3億4000万円はこの融資の返済に充てられていた。

 共犯とされる会社役員木村隆容疑者(56)は共同通信の取材に「月利5%という持ち株会社からの借金を返すために著作権の譲渡先を探していた」と説明。特捜部は単利でも年60%に上る実質的な「借入金」の返済に切迫した小室容疑者が主導したとみて調べる。

 また、被害者の兵庫県の投資家との交渉過程で「これでも名の知れた男。逃げも隠れもしない」と説得し、自ら作った曲を「世界で1つの曲」とCDにしてプレゼントしていたことも判明。

 関係者によると、小室容疑者が“融資”を受けたのはA・Cホールディングス(東京、旧南野建設)。旧南野建設は、「最後の大物仕手筋」と言われた西田晴夫被告(58)=金融商品取引法違反罪で公判中=らが2007年に逮捕された株価操縦事件の舞台となった。

 小室容疑者は06年3月、プロダクション「トライバルキックス」(東京)代表取締役平根昭彦容疑者(45)を通じ、著作権を担保に3億円を受領。約5カ月後の8月7日、投資家と著作権を10億円で譲渡する仮契約を締結。5億円を先に支払わせたとされる。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008110401000582.html