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2008年11月04日(火) 16時59分

小室、錬金の曲芸…著作権を自身関連会社と2重譲渡夕刊フジ

 人気グループglobeのメンバーで、多数のヒット曲で日本の音楽シーンをリードしたプロデューサー、小室哲哉(49)。楽曲の著作権売却をめぐり知人男性から5億円をだまし取った疑いが持たれているが、手元を離れた人気曲を“二重譲渡”するなど犯行は確信的で悪質だった。音楽著作権をめぐる大型詐欺事件の摘発は過去に例がないという。

 ほかに逮捕されたのは、小室が役員を務めるイベント会社「トライバルキックス」代表取締役の男(45)、同社監査役の男(56)の両容疑者。

 関係者によると、小室らは2006年8月、兵庫県芦屋市の投資家男性に806曲分の著作権を10億円で売却することで合意。小室は「元妻に離婚慰謝料7億円を請求され、著作権使用料が差し押さえられている。本契約を締結したいので、差し押さえの解除に必要な5億円を先に支払ってほしい」と投資家に持ちかけ、自身が関係する口座に5億円を振り込ませていた。だが、著作権移転の手続きを取らず、返金要求にも応じなかった疑いが持たれている。

 小室と男性は今年7月、双方が起こした民事訴訟で、小室が解決金6億円を支払う条件で和解。しかし、実際には数百万円程度しか支払われなかったとされる。

 806曲の大半は小室が作詞作曲したものだが、200万枚超の売り上げを記録した安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」、globeの「DEPARTURES」など計34曲はすでに音楽関連会社へ譲渡されていた。

 しかし、小室はこれら34曲の著作権を自分の関連会社に“二重譲渡”し、その著作権を担保に数億円の借金をしていたことも分かった。小室は34曲について自らが著作権を持っているように装い、自分の関連会社などに著作権を譲渡した形で文化庁に登録していた。

 投資家は10月に小室を大阪地検に詐欺罪で告訴。投資家側は「第三者に売却済みで、売ることができない著作権が含まれていることを隠して契約した」と主張し、小室側は「5億円は別のイベント会社の口座に振り込まれ、自分は受け取っていない」と反論していた。

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