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2008年11月04日(火) 16時59分

小室、あのホリエモンにも出資話持ち掛けてた!夕刊フジ

 globeや安室奈美恵の曲を手掛け、1990年代の音楽界を席巻した音楽プロデューサー、小室哲哉(49)らが個人投資家から5億円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は4日、詐欺容疑で逮捕した。「刑事責任を潔く取るつもり」と供述している。CDの総売り上げ1億7000万枚、100億円を稼いだといわれたヒットメーカーを栄華から転落させたのは計180億円を霧消したとされる壮大な浪費癖だった。

 特捜部の調べに、小室は「弁解することは何もない。反省し、被害者に謝罪したい」とも述べ、容疑を認めている。

 小室は90年代に絶頂を迎え、「日本音楽史上最も稼いだ男」の名をほしいままにした。

 手掛けた曲は95−98年に4年連続日本レコード大賞を受賞。96年だけでCDを1500万枚以上売り、一時CD売上高400億円を超えた。96、97年の年収は20億円台に上り、高額納税者番付で連続全国4位。テレビ番組が試算した生涯収入は96億6000万円で芸能界断トツ。「通帳は10ケタしか表示されないから途中からケタが分からなくなった」とも語った。

 金遣いの荒さは半端でなかった。豪邸を構えた米ロサンゼルスに向かう際、片道だけで2000万円かけ、ファーストクラスを全席貸し切った。移動に自家用機も多用した。ロスのほか、ハワイやバリにレコーディングスタジオを併設した別荘やクルーザーを所有。自宅前には、2億5000万円のフェラーリやポルシェ、3億円のベンツがズラリと並んだ。

 母校、早稲田実業学校(東京・国分寺市)に10億円をポンと寄付。同校には2001年、広さ600平方メートルの「小室哲哉記念ホール」が建ち、小室の金の手形が飾られた。同年、創立100周年の記念歌「ワセダ輝く」の作曲も手掛けた。

 その一方で、アジア進出の野望をきっかけに栄光に陰りが差す。98年に香港企業と共同で音楽関連会社「ロジャム」を設立したが、海賊版の横行もあって経営が悪化。香港で上場した株価も暴落し、70億円の損失を出したとされる。消えた生涯収入100億円、負債を75億円以上と勘案すると、浪費の総額は180億円に上るとみられる。

 「時代の移り変わりを読めず、放蕩(ほうとう)生活から抜け出せなかったのだろう」。小室の最盛期を知る芸能関係者はこう指摘する。「世間が求める音楽とズレができ、人気にも陰りが出始めた」とも。

 01年に結婚、02年に離婚した歌手、吉田麻美(33)への7億円もの慰謝料が重くのしかかった。現在の夫人のKEIKO(36)が大分出身だったことから買って出たサッカーJ1大分トリニータのスポンサー料7000万円も05年に滞納していたことが発覚した。

 そんな中でも堀江貴文被告(36)=証券取引法違反罪で上告中=に出資話を持ち掛けていた。05年11月に堀江被告を自宅マンションに招き、「米国の音楽版権がバラバラになっている。それを中国に向けて着うた配信できるサービスを作れる」と提案したと堀江被告が先月末の名誉棄損訴訟で明らかにした。

 借金まみれの中にあって50インチの大型薄型テレビが10台近く並び、堀江被告は「『すごいですね』と言ったら『1人1画面で(サッカーゲーム)ウイニングイレブンをやるんだ』と答えたのが印象的」と証言しながら「会食と思っていたのに食事が出ず、腹が減って困った」と漏らした。

 いまも1−2億円の印税収入があるが、巨額負債の前に焼け石に水。「浪費癖が直らないから借金は膨らむばかり」(関係者)。別の音楽関係者によると、「自身の音楽原版権をたたき売っている」とのウワサも流れていたという。

 ここ数年は栄華の象徴だった海外の別荘やフェラーリ、スタジオ機材を二束三文で切り売りしたり、知人らに数千万円の借金を頼み込むなど、その場しのぎの金策に走るしかない生活にまで転落。「小室氏の借金と生活の困窮ぶりは明らか。いつか金銭絡みの事件を起こすのではないかと思っていた」。音楽関係者はこう振り返った。

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