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2008年11月04日(火) 12時28分

借金十数億 返済期限迫り犯行か 小室容疑者産経新聞

 兵庫県内に住む個人投資家(48)に音楽著作権の譲渡を持ちかけ5億円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は4日、詐欺容疑で音楽プロデューサー、小室哲哉容疑者(49)ら3人を逮捕した。音楽出版社に譲渡していた著作権の一部を自らの関連会社に二重譲渡していたことも判明。特捜部は初めから投資家に著作権を譲る意思がなかったとみて、詐欺の全容解明を進める。

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 調べに対し、小室容疑者は「申し開きすることはない。刑事責任をいさぎよくとるつもりだ。被害者に謝罪したい」と容疑を認めている。犯行当時、クレジットカードの支払いも滞るなど金に困り、借金は十数億円あったといい、特捜部は借入金の返済期限が迫っていたことが犯行の引き金になったとみている。

 ほかに逮捕されたのは、イベント企画会社「トライバルキックス」(東京)社長、平根昭彦容疑者(45)と同監査役、木村隆容疑者(56)。特捜部は、東京都港区の小室容疑者の自宅マンションなど関連先数カ所を家宅捜索した。

 調べによると、小室容疑者らは平成18年7月30日、東京都内のホテルで、作詞・作曲した楽曲806曲の著作権が自身にあるかのように装って投資家に10億円で譲渡する仮契約を結んだ上、8月9日、前払い金5億円をだまし取った疑い。

 著作権の一部はすでに音楽出版社「エイベックス・エンタテインメント」などにあり、小室容疑者に著作権譲渡の権限はなかったという。

 関係者によると、小室容疑者は、ミリオンセラーを記録した楽曲数十曲について音楽出版社に譲渡。その後、知人が経営し、自身が役員を務める音楽関連会社に同じ曲を二重譲渡していた。

 文化庁によると、関連会社は小室容疑者の作詞・作曲した延べ52曲の著作権を登録していたが、音楽出版社側は文化庁には登録していなかった。二重譲渡されて争いになった場合、登録している方が優先するという。

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 エイベックス・グループ・ホールディングスは4日、小室容疑者がメンバーとなっているグループ「globe」が年内に発売を予定していたシングルCD2枚の発売中止と、「globe」の全曲の音楽配信停止を発表した。

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