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2008年11月04日(火) 11時38分

大半は音楽出版社が所持…音楽著作権の実態産経新聞

 大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された音楽プロデューサーの小室哲哉容疑者は、自身が作詞、作曲した806曲について、著作権に関する一切の権利を持っているかのように偽っていたとされる。しかし、楽曲の著作権の大半は、音楽出版社が持っており、小室容疑者が他人に譲渡する権限はないのが実態だった。

 音楽の著作権は知的財産権のひとつで、作曲家や作詞家が作品の使用を許諾・禁止できる権利。コンサートやカラオケなどで演奏する演奏権、CDや楽譜などを製作する複製権、CDやビデオなどをレンタルさせる貸与権などがあり、著作者は一部、または全部を譲渡することができる。

 音楽業界では一般的に、著作者は自らが権利を管理するのが煩雑で難しいため、契約先の音楽出版社に著作権を譲渡することが多い。権利を譲渡された音楽出版社側は、使用料(印税)の徴収を委託するために日本音楽著作権協会(JASRAC)などの管理団体に著作権を預けているという。

 その一方で、著作者は、音楽出版社を通じて利用者から得た著作権使用料の一部を受け取るシステムが確立している。また、音楽出版社は、テレビ局や広告代理店とタイアップして作品を広め、CDの売り上げやカラオケなどの2次使用料を得ている。

 小室容疑者の場合、著作権を「エイベックス・エンタテインメント」などの音楽出版社に著作権を譲渡していた。

 JASRACでは毎年、著作権使用料の作品ごとの分配額ベスト10を発表している。小室容疑者は平成7年から10年まで4年連続で、国内作品ベスト3に計9作品が入っており、平成8年には1位から3位までを独占するなど、多額の著作権使用料を得ていたとみられる。

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