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2008年11月03日(月) 06時03分

ペイリン氏「8年後ネ」…サルコジ氏まねたイタ電に野心ポロリスポーツ報知

 「大統領同士でお会いしましょう」—。米大統領選(4日投開票)の共和党の副大統領候補、サラ・ペイリン・アラスカ州知事(44)が、フランスのサルコジ大統領を装ったカナダのコメディアンからの「いたずら電話」に、だまされていたことが分かった。このコメディアンが1日、明らかにしたもので、ペイリン氏は「もしかしたら8年後に…」と大統領就任への野心を語っていたという。共和党のマケイン候補(71)は敗色濃厚だが、ペイリン氏は2016年の大統領選では、共和党候補の筆頭になるとの見方も出ている。

 大統領選でがけっぷちに追い込まれているマケイン陣営。そんな陣営から、過去のお騒がせと問題発言で、「お荷物」扱いされているペイリン氏が、8年後の大統領就任をぶち上げた。

 発端は一本のいたずら電話。ドッキリを仕掛けたのは、カナダ・ケベック州の人気コメディアンで、「おしおき仮面」の異名を持つオーデットさん。電話が取り次がれ、フランス語なまりの英語でサルコジ大統領だと名乗ると、ペイリン氏はあっさりと本物だと信じ込んだ。「お話しできて光栄です。マケイン氏も私も、大統領が大好きなんですよ」と独特のハイトーンボイスで答えたという。

 このラブコールに、偽サルコジ大統領がさらに追い打ちをかけた。「ぜひ、大統領同士でお会いしたい。ペイリンさんも、いつかは大統領になるんでしょう?」と問いかけると、ペイリン氏は「もしかしたら8年後に」とポロリ。女性初の副大統領就任は、もはや絶望的な状況になっているが、2016年の大統領選では有力候補として名前が挙がっているペイリン氏。今回のいたずら電話は、期せずして大統領選への“出馬表明”を引き出す形となってしまった。

 2人の会話は、どんどん際どい方向に。偽サルコジ大統領はペイリン氏を、彼女の趣味でもある狩猟に誘い、友人を散弾銃で誤射する事件を起こしたチェイニー米副大統領の名前を出したり、「動物を殺すのが大好きなんですよ」などと話しかけた。ペイリン氏は、これに戸惑いながらも「ハハハッ」と笑って応じていたという。

 偽大統領はさらに、カーラ・ブルーニ夫人について「私の妻は、有名な歌手でモデルです」と紹介し、「ベッドでも激しくって」とのセクハラ口撃。しかし、ペイリン氏は笑いながら「美しい奥様ですね」と受け流した。

 最後はオーデットさんがいたずら電話だと明かしたが、ペイリン氏は慌てた様子もなく「あら、だまされていたの」と電話を側近に渡したという。

 オーデットさんは、過去にもサルコジ大統領やシラク前仏大統領をターゲットに、いたずら電話をかけ、会話をインターネットなどで公開してきた。今回のペイリン氏とのやり取りは、ケベック州のラジオ局で、大統領選前日の3日に放送される。

 またしても、ペイリン氏に足を引っ張られたマケイン陣営は「ペイリン氏は(過去に引っかけられた)サルコジ大統領らと同等に扱われたことをうれしく思っている。セ・ラ・ヴィ(フランス語で「それが人生さ」)」とコメントした。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081103-OHT1T00059.htm