【ワシントン３日共同＝須佐美文孝】八年続いたブッシュ政権の後継を決める米大統領選は米東部時間四日午前（日本時間同日夜）から全米各州で順次投票が始まり、即日開票される。全体情勢は民主党のオバマ候補優位で動かず、米国史上初の黒人大統領誕生への期待から、民主党支持者の興奮は最高潮に達している。共和党のマケイン候補は土俵際からの逆転に望みを託す。
三日の各種世論調査の全米平均支持率はオバマ氏が約６ポイントリード。この傾向は最近十日間ほど大きく変わっていない。ただ黒人候補には事前調査の支持率が有利に出る傾向があるといわれ、安泰ではない。
勝敗の鍵を握る激戦州では、オハイオ、フロリダなど選挙人の数が多い州でオバマ氏が優勢で、焦点はバージニア、コロラドなど従来、共和党が強いとされてきた州の行方に移っている。
オバマ、マケイン両氏は二日、それぞれ激戦州を遊説。民主党地盤の切り崩しを狙うマケイン氏は、ペンシルベニア州で「熱気と勢いが出てきた。数ポイント負けているが希望を捨てない」と声を振り絞った。最終日の三日は、地元アリゾナを含め計七州を駆け抜ける方針だ。
オバマ氏はオハイオ州で「まだまだやるべきことは残っている」と引き締め。集会には人気歌手ブルース・スプリングスティーンさんが応援に駆け付け「オバマ氏がわれわれの夢を取り戻してくれる」と寒空の下に集まった聴衆を盛り上げた。
結果は早ければ東部各州の開票が進む四日深夜（日本時間五日昼）にも判明する見通し。ただ接戦になったり、投開票作業にトラブルがあった場合、大幅にずれ込む可能性もある。