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2008年11月03日(月) 18時17分

原爆「爆死証明書」公開へ 長崎、高校講師が遺族捜し実現中国新聞

 長崎原爆による死没者の遺族に、当時の警察署が交付した「爆死証明書」を保管する長崎原爆資料館(長崎市)は、同証明書二通を五日から一般公開する。これまで個人情報保護を理由に非公開としてきたが、公開を求めていた長崎市の私立活水高校非常勤講師山川剛やまかわ・たけしさん(72)が遺族を捜し出し、同意を得た。

 今回の公開は期間限定だが、山川さんは「平和教育や被爆の実相を伝えるために大事な資料。できれば常時展示して多くの人に見てもらいたい」と話している。

 長崎原爆資料館によると、爆死証明書は被爆死した人の遺族が死亡届を出す際、警察署が死亡診断書の代わりに交付したとみられる。同資料館は遺族から寄贈を受けるなどして計十一通を保管している。

 公開されるのは、爆心地の百メートル以内で陶器店を営んでいた松尾兼松まつお・かねまつさん=当時(77)=と、妻マサさん=同(54)=のもので、長崎署が交付。縦約十三センチ、横約十五センチのわら半紙に「昭和二十年八月九日ノ空襲ニリ爆死シタ者ナルコトヲ證明(証明)ス」などと記載されている。

 公開は来年一月十五日まで。問い合わせは同資料館、電話095(844)1231。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811030243.html