廿日市市宮島口のマンションで10月中旬、ペットボトルから硫化水素が発生し、男女2人が病院に運ばれた騒ぎで、廿日市署に窃盗容疑で逮捕、送検された広島市西区の会社社長の男(50)が同署などの調べに対し、「部屋に入り、硫化水素を発生させた」という趣旨の供述を始めていることが2日、分かった。広島県警捜査一課と同署は、硫化水素を使った自殺を偽装し、男女を殺害しようとした疑いがあるとみて慎重に捜査を進めている。
調べでは、男はこの部屋を所有する男性(64)と女性(34)の知人。10月14日未明、同室で2人が寝ている間に硫化水素が発生する液体が入ったペットボトルをベッド脇に置いた疑いが持たれている。3人は直前までこの部屋で一緒に酒を飲んでいたという。
男は10月中旬、この男性が所有する中区内のマンション1室から商品券など金品(1千数百万円相当)を盗んだとして同15日、同署に窃盗容疑で逮捕された。その後の取り調べに、現場を訪れてペットボトルを置いたことを認めたという。
県警は、男は男性との間で何らかの理由でトラブルとなり、2人が硫化水素で心中を図ったように見せかけて殺害しようとした可能性があるとみて調べている。
硫化水素騒ぎは、女性が「ベッドの横にペットボトルのようなものがあり、硫黄のようなにおいがする」と110番して分かった。