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2008年11月03日(月) 00時13分

会議で対話継続の是非議論 対中方針でダライ・ラマ中国新聞

 来日中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ十四世(73)は二日、共同通信などとのインタビューで、中国との対話路線が「困難」に陥っているとして、十七日から亡命チベット人の代表ら「チベットの民衆」を集めてインドで開く緊急会議に、対話継続の是非など今後の路線決定を委ねる考えを示した。

 北京で先月三十一日から始まったとされる自らの特使と中国当局との対話については「議論の具体的内容はまだ聞いていない。まだ数日間待たねばならない」と述べた。

 ダライ・ラマは、三月のチベット暴動以降、中国政府が「誠実な」対応をすると期待してきたが、かなわず、チベットの状況は悪化していると危機感を表明。独立ではなく「高度な自治」を求めるダライ・ラマ側に対し「分裂主義者との非難を繰り返してきた」として、中国政府への失望感を示した。

 十七日から亡命政府のあるインド北部ダラムサラで開かれる緊急会議には独立急進派「チベット青年会議」の代表らも参加するが、ダライ・ラマ自身は議論を主導せず、「自由な発言により、中国政府にどう対処していくべきかを議論してもらう」と述べた。

 また、自らの後継者問題に関し、中国当局がダライ・ラマらチベット仏教の活仏(生き仏)の生まれ変わりを認定する規則を二〇〇七年九月から施行したことを念頭に「中国当局が次のダライ・ラマを選び、チベットをコントロールしようとしている」と批判した。(共同)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811030109.html