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2008年11月03日(月) 00時13分

渡航や輸出を全面禁止 拉致再調査委先送りで中国新聞

 拉致被害者に関する再調査委員会設置を先送りしている状況を受け、民主党が打ち出す北朝鮮に対する追加経済制裁案の原案が二日、明らかになった。北朝鮮への輸出や渡航の全面禁止、北朝鮮に寄港した船舶の日本入港禁止など十四項目からなる。

 五日の党拉致問題対策本部役員会で協議した上、首相官邸に実施を申し入れる。十月の米国によるテロ支援国家指定解除後も再調査委設置に応じない上、対日批判を強めているため。麻生首相も「状況を見ながら考える」と追加制裁の可能性に言及しており、今後、焦点の一つとなりそうだ。

 原案によると、追加制裁は「ヒト」「モノ」「カネ」の三分野で実施。ヒトに関しては、国家公務員による渡航の原則見合わせと国民への渡航自粛要請となっている現行措置を強化して全面禁止とし、違反者には罰金などを検討する。

 モノでは、牛肉、貴金属など二十四品目の「ぜいたく品」に限って禁止している北朝鮮への輸出をあらゆる品目で禁止。北朝鮮がチャーターした船舶の入港も禁止する。

 カネについては、ミサイル、大量破壊兵器開発との関係が疑われる口座を対象とする凍結措置を、北朝鮮と関係するすべての企業、団体に拡大。北朝鮮との取引がある海外金融機関と国内金融機関との取引も禁止する。

 そのほか、政府の判断だけで実施できる経済制裁解除に、国会の事前承認を必要とすることなども盛り込んだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811030113.html