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2008年11月03日(月) 16時12分

原爆「爆死証明書」公開へ 高校講師が遺族捜し実現東京新聞

 長崎原爆による死没者の遺族に、当時の警察署が交付した「爆死証明書」を保管する長崎原爆資料館(長崎市)は、同証明書2通を5日から一般公開する。これまで個人情報保護を理由に非公開としてきたが、公開を求めていた長崎市の私立活水高校非常勤講師山川剛さん(72)が遺族を捜し出し、同意を得た。

 今回の公開は期間限定だが、山川さんは「平和教育や被爆の実相を伝えるために大事な資料。できれば常時展示して多くの人に見てもらいたい」と話している。

 長崎原爆資料館によると、爆死証明書は被爆死した人の遺族が死亡届を出す際、警察署が死亡診断書の代わりに交付したとみられる。同資料館は遺族から寄贈を受けるなどして計11通を保管している。

 公開されるのは、爆心地の100メートル以内で陶器店を営んでいた松尾兼松さん=当時(77)=と、妻マサさん=同(54)=のもので、長崎署が交付。

 公開は来年1月15日まで。問い合わせは同資料館、電話095(844)1231。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008110301000198.html