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2008年11月02日(日) 14時35分

安重根のすずり返還へ=韓国「国宝級」遺品−宮城・大林寺時事通信

 伊藤博文元首相を暗殺し、韓国で英雄視される独立運動家、安重根を弔う宮城県栗原市の大林寺が、安が獄中で使ったとみられるすずりを祖国に返還することを検討している。斎藤泰彦住職(73)は「韓国では国宝級。お返ししないといけないだろう」と話している。
 すずりは縦13.3センチ、横7.5センチ、高さ1センチ。裏に「庚戌3月 於旅順獄 安重根」と刻まれている。「庚戌(こうじゅつ)3月」は、安が中国・旅順の監獄で死刑に処された1910年3月を意味し、斎藤住職は「処刑直前まで使用していた」と推測する。
 都内の歯科医広瀬為人さん(71)が今年1月に購入した旧満州鉄道コレクションの中から見つけた。「韓国の国立中央博物館の専門家が来日し、オリジナル品と鑑定した」という。しばらく手元に保管していたが、4月にゆかりの場所の大林寺に寄贈した。
 大林寺は、旅順で安の看守役を務め、その人格や見識に打たれて親交を持った憲兵、千葉十七の菩提(ぼだい)寺。安の位牌(いはい)も安置されている。 

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