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2008年11月02日(日) 00時42分

歴史歪曲、侵略美化と批判 空幕長論文で韓国、中国東京新聞

 【ソウル、北京1日共同】防衛省の田母神俊雄航空幕僚長が過去の朝鮮半島の植民地支配などを正当化する論文を書き更迭された問題で、韓国と中国が1日、「歴史の歪曲」「侵略美化」などと批判する声明や談話を相次いで発表した。しかし日本政府への批判は避け、外交問題化せずに事態の早期収拾に応じる意向をうかがわせた。

 日本政府は、速やかな更迭処分に加え、政府の立場は従来通りと韓国に説明。中韓両国政府はこうした対応を評価したものとみられる。

 韓国外交通商省の声明は報道官名で「歴史の真実をごまかすもの。こうした歴史歪曲が繰り返されてはならない」と批判。批判の対象を論文の内容に限定し、田母神氏の任命責任も含め日本政府は批判しなかった。

 声明は文章2つの簡潔なもので最も低いレベルの抗議表明といえ、12月の日中韓3カ国の首脳会談開催などを模索する中で、問題の早期収拾に応じる意向とみられる。

 中国外務省の姜瑜副報道局長は「自衛隊の現役の高官が公然と歴史を歪曲し、侵略を美化したことに非常に驚き、憤慨している」と批判、一方で「日本政府が表明した態度と既に取った措置は知っている」と更迭を評価する談話を発表した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008110101000782.html