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2008年11月02日(日) 00時00分

ほかの複数自衛官も論文応募 防衛省、経緯調査へ中国新聞

 防衛省の田母神俊雄たもがみ・としお航空幕僚長が過去の侵略戦争などを正当化する論文を発表し更迭された問題で、ほかにも複数の自衛官が、田母神氏と同じ懸賞論文に応募していたことが一日、関係者の話で分かった。

 防衛省・自衛隊は外部に論文を発表する際、職場や所属部隊の上司の許可を得るよう内規で定めており、同省は複数の自衛官の応募が内規違反に該当しないか経緯を調査するとみられる。

 懸賞論文はマンション・ホテル開発企業「アパグループ」(東京)が主催。田母神氏の最優秀賞以外に、自衛官の受賞者はいなかった。

 今回のような懸賞論文の場合、掲載されずに応募自体が明るみに出ないケースもあるとみられ、防衛省は今後、実態把握を進めるとみられる。

 航空自衛隊トップの田母神氏は、防衛省の官房長に論文執筆の許可を得る必要があったが、会合の際に口頭で応募の事実などを伝えただけで、論文の詳しい内容は説明していなかったという。

 田母神氏はかつて部内誌に、自衛隊以外の雑誌に論文を書く重要性を主張。「雑誌に載ることは安全保障や自衛隊に対する理解が得られ、隊員の士気高揚にも役立つ」と記していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811020047.html