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2008年11月02日(日) 21時00分

14府県が有給休暇制度/裁判員への対応で自治体カナロコ

 来年から始まる裁判員裁判に職員が裁判員などとして参加する場合の対応について、十四府県が有給休暇制度を設ける規則改正などを終え、神奈川など三十一都道府県は改正の準備を進めていることが、共同通信の集計で分かった。一方、十七政令市で改正済みは札幌市だけ。横浜、川崎など五市は「未定」か「検討中」で、仙台市は「改正しなくても対応できる」としている。

 ”裁判員休暇制度”は裁判員になれない警察職員らを除く、全国の地方公務員約二百七十万人にかかわり、制度開始まで約七カ月に迫っているが、自治体の対応には、ばらつきがあるようだ。

 国は職員に特別休暇を認める場合を定めた人事院規則の「(国会や裁判などの)証人、鑑定人、参考人等」に「裁判員」を既に加えている。

 集計は都道府県、政令市の担当部署に取材してまとめた。各自治体職員が裁判員や裁判員候補者などになった際の有給休暇制度を設けたのは、宮城、秋田、山形、福島、栃木、新潟、富山、京都、和歌山、広島、徳島、高知、佐賀、熊本。

 この十四府県は、いずれも人事院規則と同様に人事委員会規則などをそれぞれ改正した。「国のやり方に合わせた」(佐賀)などとしている。

 改正準備を進める三十一都道府県も「人事院の方針に沿う」(神奈川)との自治体が多い。

 残る岩手県は「休暇制度創設の方向で検討中」、兵庫県は「今月下旬から職員組合と交渉する」とそれぞれ回答した。

 政令市のうち”裁判員休暇制度”について「未定」は横浜、名古屋、広島。「他の自治体の動きを見る」(名古屋)としている。「検討中」は川崎、京都、福岡。川崎は「制度スタートに間に合うよう、人事委員会で協議中」という。「改正の準備を進めている」と答えた十市の中にも「具体的にはこれから」(浜松)という自治体もあった。

 これに対し、民間企業で”裁判員休暇”や賃金の扱いを「すでに決めている」のは、財団法人労務行政研究所による調査で47%にとどまっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081102-00000003-kana-l14