記事登録
2008年11月02日(日) 20時52分

淀川水系のダム計画に4府県知事で共同意見産経新聞

 住民と学識者の立場から淀川水系のダム計画を通して新たな時代の河川整備を考える「川の全国シンポジウム 淀川からの発信」が2日、2日間の日程で京都大学で始まり、約500人が討論に耳を傾けた。国土交通省近畿地方整備局から計画案への意見を求められている京都府の山田啓二、滋賀県の嘉田由紀子両知事が特別講演を行い、近く公表する共同意見について、新たに三重県の野呂昭彦知事が加わり、大阪府の橋下徹知事を含めた4知事で出すことを明らかにした。

 山田知事は「治水の判断は上中下流で立場が異なるが、いかなる結論を出してもその責任から逃げない覚悟」と述べ、4知事意見が地方分権の試金石になるとの考えを示した。またダムへの賛否は避けたが、「かつての『前へ進め』だけの行政は対立を生む。いったん決めた事業を見直し、引き返せるルール作りが必要」と公共事業のあり方についても指摘した。

 嘉田知事は「ダムが完成するには何十年もかかるが、河川改修などなら段階的に流域の安全度を上げられる」と主張。住民の防災活動を行政が支援して被害の最小化を目指す滋賀県の新たな取り組みを紹介した。

【関連記事】
日本の自治体に登録認定証 新規4湿地と琵琶湖の拡大
11月中旬に骨子を 淀川ダムで嘉田滋賀県知事
淀川委「ダム不適切」の意見書提出 近畿整備局はダム推進変わらず
地震・水害…山村の孤立防げ 「防災基幹集落」創設へ
「男は力強いモノ」香取慎吾、主演ドラマで気合の断髪

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081102-00000555-san-soci