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2008年11月02日(日) 02時30分

<温室ガス>長期目標達成を 環境省が具体策検討へ毎日新聞

 2050年までに温室効果ガス排出を60〜80%削減するという長期目標を達成するため、環境省は具体的施策の検討に乗り出す。旬の野菜を積極的に選んで食べたり、太陽電池を全住宅へ普及させるなど、国立環境研究所などが提案する12の方策を基本に、中央環境審議会地球環境部会が審議する方針。暮らし方の転換が削減の焦点になりそうだ。

 長期目標は、福田康夫前首相が6月に発表した「福田ビジョン」で示され、7月に閣議決定した「低炭素社会づくり行動計画」でも明記された。

 行動計画で示された具体策は、数年以内の取り組みが中心で、30年以降を視野に入れた長期的な計画はほとんど盛り込まれていない。そこで、同省は5月に国環研などの研究チームが公表した報告書「低炭素社会に向けた12の方策」に着目。各方策に基づき、実際に排出削減を達成するのに50年までに必要な具体策を検討し、年度内に報告書をまとめることした。

 「12の方策」は、人口減少や社会基盤整備が進むことによって、50年には鉄やセメントなどの需要が減り、サービス業がさらに進展することが前提。一定の経済成長と現在の生活レベルを確保しつつ、技術開発、省エネ機器の普及などで、50年までに70%の削減が可能と分析した。方策ごとに目指す将来像なども示している。

 「太陽と風の地産地消」の方策では、「太陽が支える暮らし」「地域のシンボル風力発電」などを提示。▽全住宅・ビルに低コストの太陽電池を設置▽再生可能エネルギーが総電力需要量の15〜20%−−といった具体例を紹介した。課題としてはコスト高などを挙げている。

 同省は「政府が今後(50年までに取り組むべき施策の)行程表を策定するときに検討結果を反映させたい」としている。【大場あい】

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