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2008年11月02日(日) 01時45分

広辞苑の記述不備を指摘 オオサンショウウオの項目で産経新聞

 岩波書店の広辞苑最新版(第6版)で、国の特別天然記念物・オオサンショウウオについて「全長一二〇センチに達する」としているのは過去の記録だとして、オオサンショウウオの研究者が同社に訂正を求めていたことがわかった。研究者は第3版(昭和58年12月発行)で気づき、再三訂正を求めていた。同社では「次回の改訂で検討したい」としている。

 岩波書店は、広辞苑の第6版を第5版から10年ぶりとなる今年1月に発行。同社のHP(ホームページ)では「第5版収録の全23万項目を徹底的に再検討、学術総合出版社としての小社の経験を生かし、各分野第一線の専門家の全面的協力を得ました」としている。

 オオサンショウウオの大きさは第3版から「全長一二〇センチに達する」と記述されたが、当時、すでに全長135センチが確認されていた。平成5年には全長148センチ、現在までに150・5センチが確認されているが、第6版も記述はそのまま。

 このため、元兵庫県姫路市立水族館長で、同県内で30年以上もオオサンショウウオの調査を続けている「日本ハンザキ研究所」の栃本武良所長が、編集部に正確な生息分布も含めて記述訂正を求めていた。

 栃本さんは「第4版(平成3年11月発行)直前に全長の訂正を指摘し、当時の編集担当者が『次回には直したい』と回答したが、訂正されないままだった」と話している。

 一方、岩波書店の田中正明編集局副部長は「各項目は専門家が校閲担当者となってチェックしてもらっている。内容については字数に限りがあるので、くわしく記述できないが、全長についてはオオサンショウウオの専門家の意見を聞き、次回で訂正するよう検討したい」と話している。

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