記事登録
2008年11月02日(日) 06時02分

アイルランドの「U2タワー」建設中断…金融危機、採算不透明でスポーツ報知

 アイルランドの人気ロックバンド「U2」のレコーディングスタジオなどが入り、完成すれば同国で最も高くなる予定のダブリンの高層ビル「U2タワー」(高さ120メートル)の建設が、世界的金融危機の影響で一時中断されることが31日、決まった。

 アイルランドでは地価の下落が激しく、1983年以来の景気後退入りで、ビル事業の採算に不透明感が強まったのが中断の理由。現地の開発当局は「現在の経済状況を考えると、もう少し時間が必要だ」と話しており、1年後に開発業者と建設再開について協議するとしている。

 「U2タワー」は31階建て。U2のメンバー全員が出資しており、ビルの最上層には卵形をしたスタジオが入るほか、展望台やホテル、小売店、住居も備えたダブリンの「ランドマーク」として開発計画が持ち上がっていた。ビルの電力は、太陽光発電と風力発電でまかなうなど、環境面にも配慮していた。

 一方で、国内一となる高層ビルの建設に対しては、環境保護団体や地元住民から「景観が損なわれる」「(建設地付近の)河口の気候に影響が出る」などとブーイングも相次いでいた。

 タワーは2011年に完成する予定だったが、大幅に遅れることになりそうだ。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081102-OHT1T00003.htm