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2008年11月02日(日) 17時55分

<秋季高校野球>天理、倉敷工、西条など4校がV 地区大会毎日新聞

 秋季高校野球の地区大会は2日、5地区で試合があり、4地区で決勝があった。近畿は天理(奈良)がPL学園(大阪)に延長十一回サヨナラ勝ちし、17年ぶり6回目の優勝。中国は倉敷工(岡山)が南陽工(山口)に快勝し、37年ぶり3回目の頂点。愛媛対決となった四国は、西条が今治西との接戦を制し、20年ぶり2回目の優勝を果たした。 

 ◇天理のエース・中山が復活…好投しサヨナラ打呼び込む

 天理の「背番号1」中山は決勝で今大会初めて、マウンドに立った。「投げたいと思っていたから、うれしかった」。一回にPL学園の1年生の4番・勧野に左翼線二塁打を打たれ2死二、三塁のピンチを招くが後続を断ち、流れに乗った。球威はないが、制球よく打たせてとる投球で、PL打線を抑えた。

 ただ、PLのエース・中野の切れのいいスライダーの前に天理打線も沈黙。八回にはスクイズを外され無得点。それでも延長十一回、先頭の中山が詰まりながらも左前へ運び出塁。1死満塁から西浦直が一、二塁間を破り、エースの気迫の一打がサヨナラを呼んだ。

 奈良大会の後、中山は森川監督から野手転向を打診された。「『はい』とは言ったけど、複雑な気持ちだった」。この日の試合は投手を続けるための最後のチャンスだった。「他のピッチャーが頑張ってここまでこれたから、最後は自分の力で優勝してやると思っていた」と話した。

 準々決勝までは1年生左腕の沼田−田渕の継投。準決勝は田渕が6失点しながらも粘り強く完投した。そして決勝で、エースナンバーをつけた中山が復活。3投手の活躍で天理が近畿の頂点に立った。【辻中祐子】 

 ◇一回裏、2点奪い流れ引き寄せる…倉敷工

 倉敷工の一回裏の攻撃。先頭の頼が初球を左前打。犠打や安打で2死一、二塁とし、日下も初球を狙って中越え三塁打で2点を奪った。この間に要したのはわずか7球。鮮やかな速攻で、流れを一気に引き寄せた。

 今大会初登板の早藤も早々の援護で「楽になれた」。ていねいにコーナーを突いて六回途中まで1失点に抑えると、残りはエース山崎がきっちり締めた。

 岡山大会4位ながら準々決勝で同1位の作陽をコールドで降し、準決勝は鳥取1位の鳥取城北に延長十二回サヨナラ勝ち。主将で1番打者の頼が「先頭が追い込まれて三振したらチームの雰囲気が悪くなる」と好球必打を実践したように、選手たちの積極的な姿勢が勢いを呼び込んだ。

 「すごい選手がいる訳じゃない。きずなの勝利です」。今春から指揮を執る中山監督は涙にむせんだ。【野村和史】

 ◇四国(高知・春野)

 ▽決勝

今治西(愛媛)

100000000◆1

00100100×◆2

西条(愛媛)

(今)大戸−久保(西)秋山−森

(西条は20年ぶり2回目の優勝)

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